物語文 人の気持ちがわからない。

みなさん、こんにちは。。


 受験生もこれから本番を迎えるにあたり、残り〇〇日なんて張り紙をしているご家庭もいらっしゃるかもしれませんね。
塾では、当然のように張り出されている頃ですね。

 最近、というか今年顕著に感じているのが、

「人の気持ちがわからない」

という子どもが増えたことです。


 大人からすれば、「なぜ?」と思うかもしれません。
しかし、世の中を見渡せば、ボタン一つで欲しいものは何でも手元に届く時代です

 また、他人ともめごとをおこさないようにと(確かに物騒な世の中になりましたが)当たり障りのない人間関係を子供なりに構築しています。


だから、例えば友達と口喧嘩、殴り合いなんてこともなくなったわけで、そんな子どもに、「どうして人の気持ちが分からないの?」と問い詰めても、そもそも子どもには、争いごとのはじまりから終わりまで経験がないわけですから、そこには無機質な人間の存在だけで生活している現実があるわけです。

 論説文や説明文は接続語や指示語を辿れば答えが分かっても、物語や随筆文では、そのお話の中で何が起こっているのかさえ理解できない子どもが増えたと思うのです。

各ご家庭で、生活環境で、学校生活などを通して、人の気持ちを考えるという機会をわざわざ作らないとイメージすらできないという悲しい現実です。

 まぁ、そこでお勧めしているのはテレビの「サザエさん」です。
しかし、TVすら受験生は不要ということで、押し入れにしまわれてしまい、「ニュースはどうしているの?」と聞くと、「ネット!」で終わります。

 「サザエさん」がお勧めなのは、サザエさん一家は3世帯が一つ屋根の下で暮らし、そこで、様々な出来事が繰り広げられます。
アニメといえばアニメかもしれませんが、よく見ると色々なことを学べます。
門構え、縁側、雨戸、裏庭、お勝手口、人間関係などなどです。
これらを説明するよりは、見て、どんな出来事に対してどのようなやりとりやコメントが述べられているかが簡単にわかります。
そこで、お勧めしています。

 人の感情は、本当に人それぞれですが、それに伴う言葉=語彙があります。

楽しかったね!とか。。

「あなたは何を言いたいの?」

「そういわれても・・・・」


語彙だけ覚えようとしても、単なる暗記では使い方が分かりません。
文脈から読みとる喜怒哀楽は色々あります。


 漫画はお勧めしません。
それは、今どきの文化かもしれませんが、吹き出しで終わって、感情部分は、絵で示され、言葉として書かれていないからです。

 人の気持ちは、経験して身に付くものだとも考えています。
しかし、中学受験生の高々11歳、12歳の子どもが経験できることは限られています。

 本当は、読書をお勧めですが、読書は偏りが出てきます。
だから、受験生は塾での模試や週末の特訓の文章で読み直しして受験生の読書を積み重ねることです。

それが、人の気持ちの理解につながると考えております。