覚えること、身に付くこと。

 みなさん、こんにちは。

受験生は、いよいよ本番に向けて佳境を迎えつつあります。

最後まで、志望校合格まで取り組んでほしいと願っています。

 

 

 さて、2月になると、大手塾では新学年として新たなカリキュラムに進んでいきます。

学年によって、覚えることは様々ですが、それが本当に身に付いているかどうかを確認する間もなく、次々と新たなカリキュラムが展開されていきます。

 

 塾のカリキュラムは、もちろん、受験に向けて必要な事項を盛り込んだ内容になっています。

途中に、単元テストや月例テストがあります。

そこでは、授業で覚えたことが身に付いているかどうかを確認するためのテストと捉えるとよいでしょう。

 

 物事を覚える時というのは、人ぞれぞれ覚え方はありますが、要するに、塾での授業や自習で覚えた事柄というのは、ある意味点と考えるとわかりやすいかもしれません。

ですから、はじめは「このことは、これ」「そのことは、それ」というような点なのです。

 しかし、人は一つのことをいつまでも覚えていることができるかといえば、これもまた人それぞれです。

一晩寝ると、半分は忘れるといわれることもあります。

実際には、忘れるのではなく、記憶のどこかの引き出しにしまわれてしまうというのが脳の働きです。

 

 覚えたものを身に付ける、あるいは体得するためには、「練習すること」が一番わかりやすいかもしれません。

漢字の練習も一度書いただけで覚えられる漢字もあれば、3回、5回と練習してもいつも間違うという漢字も出てきます。

本当に身に付ける、体得するためには、単純な「練習すること」に加えて、周辺情報を付け加えることが必要です。

例えば、漢字であれば、へんやつくり、成り立ちなどがそうでしょう。

 つまり、覚えたい点に対する周辺情報、背景などを一緒に覚えると、点と点がつながり、線となり、それが面となっていきます。最後は、「なるほど、そういうわけだったのか」という納得感を得られると、思い出しやすいし、覚えたものを紐解いていくことで理解が深まり、本当の身に付いたにつながります。

 

 

 国語の文章においても、文脈から情景を読みとることができるようになると、「難語」といわれるような問題が出題されても、慌てずに、この文脈から想像すると、答えは、これだ!というように正解を導きだせるようになります。

 

 文章読解は、精読できるようになることが大切です。

簡単な、分かりやすい文章から始めてもよいでしょう。

あるいは、興味を持った本を読む、いわゆる読書もお勧めです。

 そして、辞書引きもお勧めです。

読書も字面だけを追うのではなく、「さて、この言葉はどんな意味なのだ?」と気づき、辞書引きをして、意味を確認することは、いわゆる周辺情報を取り込むことにつながります。

 そこで、「なるほど、そういうこと」かという理解を得ること、これが単に覚えているにとどまらず、身に付いた、体得したことなのです。