——「読む」とは何をしているのか
中学受験の国語で苦しむ子は多いです。
しかし実際には、国語にはかなり「型」があります。
特に、
- 速く読む
- 論説文を読む
- 小説を読む
この三つは、別々の技術です。
多くの子は全部を同じように読んでしまっています。
だから混乱するのです。
だから混乱するのです。
本当は、文章の種類ごとに、頭の使い方が違うのです。
第一部
「早く読む」とは何か
まず最初に重要なのは、
「速読ではない」ということです。
中学受験で必要なのは、「必要な情報を、必要な順番で処理する力」です。
つまり、文字を速く追う能力ではなく、文章構造を見抜く能力なのです。
1. 文章を読むのが遅い子は「全部読んでいる」
国語の文章を読むのが遅い子は、とても真面目です。
一文一文を、全部同じ重さで読もうとしています。
しかし実際の文章は違います。
文章には、
- 骨・筋肉・飾りがあります。
たとえば論説文なら、
- 骨=筆者の主張
- 筋肉=説明
- 飾り=具体例 です。
しかし初心者は全部同じ濃さで読みます。だから疲れもします。
2. 「重要な場所」を探す読み方
国語が得意な子は、「重要な場所だけ濃く読む」のです。
では、重要な場所とはどこか。
接続詞のあとが最重要です。
たとえば、
- しかし・だが・ところが が出たら、「ここから筆者の本音」と思ってよいでしょう。
- 逆に、たとえば・つまり・つまり言い換えればなどは、具体例・要約のサイン。
つまり接続詞を見るだけで、文章の地図が見えてくる。
3. 「予測」しながら読む
文章を読むのが速い子は、受け身で読んでいません。
常に、「次に何が来るか」を予測しています。
たとえば、「現代人は便利さを求める。しかし——」と来たら、「便利さの問題点が来るな」と予測しています。
予測しながら読むと、脳が整理されるので速いというわけです。
4. 語彙力より「構造力」
保護者は、「語彙力が足りない」と思いがちです。
もちろん語彙も大切です。
しかし実際には、「文章の構造が見えない」ことの方が大きく、どこが結論か、どこが説明か、どこが対比かが見えないのです。
だから迷子になり、結果、何を書いているのか理解できないという状況に陥ってしまい、何から始めればよいかと考え、負のスパイラルに陥ってしまい、結局は何も手付かずとか読み直しもしないまま時間が過ぎていくということにもなってしまうのです。

5. 「音読」が強い理由
実は中学受験では、音読がかなり効果があります。
なぜか。
文章にはリズムがあるからです。
論説文にも、
- 強調・逆転・間 があります。
音読すると、文章の呼吸がわかります。
すると、論理の流れが見えやすくなるわけです。
第二部
論説文の読み方
論説文とは何か。
簡単に言えば、「筆者が読者を説得する文章」です。
つまり、
- 何を問題だと思っているか、何に反対しているか、何を伝えたいかを読むということです。
1. 論説文は「ケンカ」である
これを理解すると急に読みやすくなります。
筆者は必ず、何かと戦っています。
たとえば、
- 現代社会・常識・偏見・大人・効率主義・科学万能主義 など。
つまり論説文は、「筆者の反論」なのです。
だから読む時は、「この人は何に怒っているのか」を探すとぐっと読みやすくなります。
2. 対比を探す
論説文の核心です。
筆者は比較によって、主張を鮮明にします。
たとえば、
|
A
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B
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|---|---|
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昔
|
今
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|
子供
|
大人
|
|
自然
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人工
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|
日本
|
欧米
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など。
論説文では、「どちらを肯定しているか」を見抜くことも大切です。
3. 「具体例」に騙されない
中学受験生は、具体例に引っ張られます。
しかし筆者が言いたいのは、例そのものではない。
たとえば、「スマホ依存」の例が出ても、本当に言いたいのは、「現代人は孤独に耐えられなくなった」かもしれない。
つまり、「例の奥にある抽象」を取る。
これが論説文です。
4. 要約力とは何か
論説文が強い子は、頭の中で要約しています。
各段落を、一言、一文でまとめる。
たとえば、
- 第1段落=問題提起
- 第2段落=現代社会批判
- 第3段落=具体例
- 第4段落=結論 のように。
つまり、「文章を小さく折りたたむ力」が要約力。
5. 難関校が見るもの
難関校ほど、「表面」ではなく「構造」を問います。
だから、単なる言い換えでは解けない。
例えば、なぜ筆者はこの例を出した?なぜここで対比した?なぜ最後に抽象化した?を問う。
つまり、「筆者の設計図」を読む力です。
第三部
物語・小説文の読み方
小説は論説文と全く違います。
論説文は「論理」。ならば、小説は、「感情」です。
1. 小説は「変化」を読む
小説とは、「人間が変わる話」です。
だから読むべきは、事件ではなく、心の変化です。
2. 感情は直接書かれない
ここが難しいところです。小説は、一見読みやすいと感じますが、感情がそのまま直接書かれていないことが多いです。
論説文は説明してくれます。
しかし小説は違います。
たとえば、「悲しかった」とは書かかれていません(必ずではありませんが)。
代わりに、窓を見る、返事をしない、靴ひもを結び直す、笑う、急に話題を変えるなどが書かれています。
つまり、「行動で感情を表す」のです。
3. 会話文を読む
会話は極めて重要です。
特に、急に短くなる、冗談を言う、ごまかす、沈黙するは危険信号。
人間は、本音ほど直接言いません。
4. 情景描写の意味
難関校はこれをよく出します。
例えば、
- 雨・冬・夕暮れ・冷たい風 は、感情と結びついていることが多いです。
つまり景色は、「心の比喩」なのです。
5. 「誰が見ているか」
小説では視点が極めて重要です。
主人公の視点なら、主人公が知らないことは、基本的にわからない。
だから、「作者の説明」と、「主人公の感じ方」を分ける必要があります。
6. 小説が苦手な子
小説が苦手な子は、事件だけ追う、セリフだけ読む、気持ちを想像しない、ことが多いです。
しかし小説は、「人間の微妙な空気」を読む文章です。
つまり、
- 遠慮・嫉妬・見栄・寂しさ・甘えなどを読み取ることが求められます。

最後に
国語とは何か
中学受験の国語は、単なるテクニックではありません。
本当は、「人間を理解する力」です。
論説文では、「他人の考え方」を理解する。
小説では、「他人の感情」を理解する。
だから国語が伸びる子は、人の話を考える、なぜそう思うのか想像する、言葉の裏を考える習慣があります。
そして最後には、「この人は本当は何を言いたいのか」を読む力になっていくのです。
